取替の必要な場合や取替時の注意点も徹底解説
分電盤から異音がする、取り換えたばかりの照明が点滅する、電気代がやけに高いなどという場合、もしかしたら分電盤が故障しているのかもしれません。または、寿命を迎えているとも考えられます。分電盤は、家中で安全に電気を使用できるように電気を分配する、重要な装置です。不具合のある場合、寿命を迎えた場合には取替工事が必要です。そこで今回は、分電盤の取替について、手順や注意点などを解説していきましょう。
分電盤の取替が必要な場合とは?
分電盤にも、他の家電と同様に寿命があるのはご存知でしょうか。分電盤の各メーカーでは、10年から15年がおよその交換目安だと定めています。大部分のメーカーが発表している分電盤の交換推奨時期は、13年です。
古い分電盤をそのまま使い続けていると、ショートや漏電、過負荷などが発生してもブレーカーが落ちず火災など大事故になりかねません。
そのため、分電盤は定期的な取替が必要なのです。交換推奨時期が来ていない場合でも、ブレーカーが落ちやすかったり、分電盤から異音や異臭がしたりといった不調を感じたら、取替が必要と考えましょう。
また分電盤の機能も進化していて、雷がアース側から侵入するのを防ぐ機能や、地震を感知したら自動でブレーカーを強制的に遮断する機能を搭載した分電盤、省エネ機能のある分電盤もあるのです。このような機能を付けたい場合には、取替工事が必要でしょう。
分電盤の取替工事の手順とは?
ここからは、分電盤の取替工事の手順を紹介していきます。
材料の準備
分電盤やブレーカーなど必要なものを購入します。また、分電盤の取替工事には、次のような工具が必要でしょう。
- 絶縁タイプのドライバーセット
- 絶縁グローブ(電気の生きた活線作業をするため)
- テスター
- 検電器
- 裸圧着端子用の圧着工具(分電盤と幹線の接続に使用)
- インパクトドライバー(分電盤本体の固定に必要)
- VA線ストリッパー(ケーブル被覆を剥く時に便利)
- 脚立
- 絶縁テープ
準備
ケーブルをそれぞれ外していきます。再度つなぐさいに配線先の分からなくなってしまわないように、外したケーブルにマスキングテープでメモを付けるといいでしょう。そしてすべてのブレーカーのレバーを下におろし、OFFにします。
メーターから幹線を外す
メーターから幹線を外していく作業に入ります。この時、絶縁手袋をはめましょう。次にメーター下部にあるカバーを外して、絶縁ドライバーを使用して電柱から来ている方ではなく家側に入っている方を外します。
電気が来ていないかの確認
検電器を使って、電気が来ていないか確認したら、メーターのカバーを戻します。分電盤にも検電器を使って電気が来ていないかの確認を行います。
配線をブレーカーから抜く
ブレーカーから配線を抜いたら、マスキングテープを貼っておきましょう。
分電盤本体を外す
箱状になっている分電盤の本体を外していきます。すると、壁の穴から複数の配線が飛び出しただけの状態になるでしょう。
新しい分電盤外枠の仮止め
新しい分電盤の本体を仮止めします。分電盤によっては、以前付けていた分電盤と形状が異なり壁の開口を手直ししたり、壁紙や石膏ボードを貼り替えたりする必要もあります。
幹線接続用の圧縮端子の取り付け
圧着工具を使い、幹線接続用の圧着端子の取り付けを行います。
外枠・本体の取り付け
外枠・本体の順に取り付け、しっかり固定します。
幹線の接続
幹線を接続します。小ブレーカーを接続して、メーター側幹線を接続します。一本ずつつないでいく場合には、必ずニュートラル(白)からつなぎましょう。
確認
テスターを使って電圧を確認後、ブレーカーを順に上げていって配線が正しくつながっているかを確認します。
分電盤の取替の注意点とは?
分電盤の取替工事の手順を紹介してきましたが、自分で分電盤取替をDIYすることはできないので注意しましょう。分電盤の取替工事は電気工事に当たり、電気工事士の資格を持つ人でなければできないと電気工事士法で定められているのです。なぜなら、工事中に感電したり火災になったりする恐れがあるからです。また、簡単な工事に思えても数多くの電気技術を必要とする場合がほとんどでしょう。プロに依頼すれば、分電盤についてのさまざまな相談もできて、技術的にも安心です。
まとめ
分電盤は、家全体で安全に電気を使用するために必要不可欠な装置です。13年程度を目安に定期的に取替工事を行いましょう。新しい分電盤は、便利な機能も搭載されているので、取替の際にはそのようなものを選ぶのもおすすめです。その際には必ず、プロである電気工事士に依頼するようにしましょう。
「株式会社HLS」は、低価格・高品質・高技術をモットーにした各種電気工事を承っております。分電盤の取替工事も喜んでお受けしています。分電盤が老朽化した、コンパクトな分電盤にしたい、回路数の多い分電盤にしたいといったご要望のある方は、お気軽にお申し付けください。